前回のブログ↑では、映画「不安の正体~精神障害者グループホームと地域」上映後、池原毅和弁護士の講演の様子を報告させていただきました。
このブログでは、その後の「パネルディスカッション」について、報告します。
3/3 パネルディスカッションの様子を数回に分けて、お伝えします。
<議論①>「地域の中で生きる一般住民と障害者福祉施設の共生は可能なのか」
<司会の間庭尚之さんより>
江東区では、来年度より、重度心身障碍者(重度の身体障害と重度の知的障害が重複している障害のこと。 移動や食事、入浴、排せつ、寝返りなどを自分一人ですることが困難なため、自宅で福祉サービスを受けたり、医療や福祉サービスを提供する専門施設に入所したりしています)の方々のため、グループホームを作る予定がある。
行政側から、地域住民に向けて説明会があった。
(その場に参加したパネリスト坂間正章さんに向けて)、どのような感じでしたか?
<坂間正章さん>
昨年、二回にわたって、建設予定地の地元の住民に向けて、行政側より、説明会が行われた。その場に参加したことをまずお伝えしたい。
一回目の住民説明会では、今回の映画「不安の正体~精神障害者グループホームと地域」で見られたような、意見(「障害者は怖い」というような意見)が出ていた。
「はぁ?障害者の施設?私たち地域に住んでいる一般住民に、障害者の施設を作ることで、どんなメリットがあるのか?」
「そもそも、障害者が地域の住民と交流なんて出来るのか?」
行政側も、地域の住民に向けて、障害者の施設を作る<許可>を貰うような感じで、<申し訳なさそうに>話をしているような印象も受けた。
しかし、「この○○地域に、障がいを持った方が入所する施設が出来ることは、素晴らしいこと」
という意見も住民側からも一部あった。
第二回目の住民説明会では、「障がいについて、そもそも何も知らない」
「<福祉>のこと、<障害者の施設>のこと、自分たち地域住民は、正直、よく分からない。だから、今度、訪問してみよう。実際に行ってみないとわかんない」
という意見が出ていた。
<議論②>「一般住民として、その住民説明会に参加すると仮定していたら・・・」
<司会・間庭さん>
映画「不安の正体~精神障害者グループホームと地域」の中では、障がいを巡って、地域住民と福祉の専門家の温度差の違いが明らかにされたが、一般の江東区民として柳智啓さん、その説明会に仮にいたとしたら、どのように感じると思いますか?
<柳智啓さん>
私は会社を経営している。今まで生きてきて、障害者と関わってきたことは、ほとんどなかった。
しかし、ご縁があり、数年前から障害を持つ方と関わるようになり、今は、<誰一人排除しない共生地域を次世代に贈る>というヴィジョンのもと、NPO法人でぃぐらぶ(団体名「でぃぐらぶ」はDIGnity-LOVE-DIG-LOVEという使命と理念を心に刻む造語)を運営している。
トップページ – NPO法人でぃぐらぶ (diglove.or.jp)
先ほど、南青山の児童相談所建設に向けての地元住民の説明会の中で、若い女性が、<南青山のようなブランド地域に、児童相談所なんてありえない>と、激しく抗議しているyoutube動画が流された。
その女性も、その女性なりに必死で生きており、人間的な優しさも、併せ持った存在だと思う。
決して酷い女性ではないと思う。
しかし、「障害」を「知らない」という問題がある。
知らないから、不安を感じ、排除しようとしてしまう。
「障害者は怖い」「嫌だ」「来ないでくれ」と。
だが、誰だって、障害者になり得る時代。障害は、決して他人事ではない。
障害がある・ないに関わらず、双方的に理解し合える場を作ることが大切ではないか?
次回に続きます。