創業家に走った激震
千葉県鴨川市の医療法人「鉄蕉会(てっしょうかい)」が運営する亀田総合病院は、浅田次郎の小説「天国までの百マイル」のモデルになった。小説は、心臓病の母の命を救うため、冴えない中年男性が東京から100マイル(約160キロ)離れた天才的外科医が在籍する病院を目指す物語だ。
鉄蕉会は亀田総合病院の他、亀田クリニック、幕張クリニックなど多数の医療機関を持つ。新人医師の研修先として人気があり、上皇の心臓手術を執刀した天野篤氏(元順天堂大大学医学部付属順天堂医院院長)も、かつて亀田総合病院で研修を受け外科医として腕を磨いた。
3月28日、その鉄蕉会に激震が走った。千葉地方裁判所館山支部(谷池厚行裁判官)が鉄蕉会を舞台に起きた亀田一族間の内紛に関し、鉄蕉会側の主張を退ける判決を言い渡したのだ。
内紛の当事者は、亀田グループの創業者一族である亀田家の四兄弟だ。