11月21日(火)に対面のみで開催予定のイベントのお知らせです。
10月7日、ハマース主導のガザの戦闘員による越境奇襲攻撃から始まった、パレスチナとイスラエルのあいだの武力紛争は、すでに1ヶ月半が経過しようとしています。
食糧も水も燃料も底を尽いたガザでは、230万の人々が飢えと渇きの中におかれ、人道的破局の状態に至っています。
けれども、ガザの破局は、今回の戦争で突然、始まったものではありません。
そのはるか前から、国際的な人権機関や国連の専門家は、イスラエルによるガザ封鎖の違法性と暴力性を再三にわたって指摘し続けてきました。
今回のガザに対する攻撃に関しては、10月13、14日に、国連の特別報告者フランチェスカ・アルバニーズをはじめとする専門家が、イスラエルによる「民族浄化」であり、「絵に描いたような典型的なジェノサイド」であると指摘しています。
ガザの人々から聞こえてくる声もまた、日々増えていく市民の犠牲を看過する世界への怒りと悲しみと絶望に満ちています。
「ガザで起こっている明らかなジェノサイドに、世界はいつまで沈黙しているつもりなのでしょうか?
いったい、ガザの市民があとどれだけ殺されれば、この世界は満足するのでしょうか?」
本緊急報告会は、全てがインターネットで中継されるこの21世紀、民主国家を名乗る国々の同意のもとで、いまこの瞬間も進行する《ジェノサイド》に抗おうとする人々をつなぐために企画されました。
対面の場で様々な立場の報告を聞き、皆さまと想いを共にし、人間を蹂躙する暴力を止めるためのアクションへとつなげていきたいと願っています。ぜひ、会場へと足をお運びください。
※後日、アーカイブ無料配信も予定されています。
■日時:2023年11月21日(火)19:00~21:30終了予定(開場:18:45)
■場所:早稲田大学 戸山キャンパス 36号館382教室
キャンパス地図 https://waseda.app.box.com/s/lwwbo30xn58b1mjoahvthnmbrad5xqrm
■アクセス:地下鉄東京メトロ東西線 早稲田駅から徒歩3分、副都心線 西早稲田駅から徒歩12分
■申込:不要(定員:280名)
■プログラム
ガザの人々から聞こえる声(並木麻衣/日本国際ボランティアセンター(JVC))
基調講演:21世紀の《ジェノサイド》に抗して(岡真理/早稲田大学文学学術院教員)
繰り返される虐殺(志葉玲/ジャーナリスト)
国際法からみた現地の状況(伊藤和子/認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ)
質疑
アクションに向けて
■登壇者プロフィール
並木麻衣(日本国際ボランティアセンター(JVC)広報担当)
1984年生まれ。イラク戦争のニュースを見て「紛争下でもたくましく生きる人々の素顔を探しに行きたい」と思い、東京外国語大学アラビア語科へ入学、パレスチナ問題と平和構築を専攻。 “紛争地”パレスチナで暮らしてみたくなり、2006-2007年にパレスチナ・イスラエルの大学へ留学。 現地に友人が増え、紛争の両側で生きる人々が抱える問題に直に触れ「日本からできることは何だろう」と悩みを深めて帰国した。2013年からJVCパレスチナ事業担当、2016-2017年のエルサレム駐在を経て、2019年から東京事務所で広報担当。
岡真理(早稲田大学文学学術院教授/現代アラブ文学、パレスチナ問題)
東京外国語大学アラビア語科でアラビア語とアラブ文学を専攻。在学時代にパレスチナ人作家ガッサーン・ カナファーニーの小説を読み、パレスチナ問題、アラブ文学と出会う。以来、現代世界に生きる人間の普遍的思想課題としてパレスチナ問題を考究する。著書に、『アラブ 祈りとしての文学』(みすず書房、2008年)、『ガザに地下鉄が走る日』(みすず書房、2018年)ほか。2009年より、学生・市民から成る「平和をめざす朗読集団 国境なき朗読者たち」を主宰、京都をはじめ日本各地で、ガザの朗読劇の上演活動をおこなう。
志葉玲(ジャーナリスト)
番組制作会社をへて2002年春から環境、平和、人権をテーマにフリーランスジャーナリストとしての活動を開始する。 2003年3月から、イラク戦争の現地取材を複数回行い、2006年のレバノン戦争、2014年のガザ攻撃、ウクライナ侵攻(2022年~)など紛争地取材を重ねている他、環境問題にも明るく、脱原発・自然エネルギー、温暖化対策や自然保護関連の取材・執筆も多い。日本の難民受け入れ等の入管問題や沖縄などの米軍基地問題や安保法制、貧困・格差などの政治・社会問題についても幅広く取材、発表している。雑誌・新聞に寄稿し、現地で撮影した写真・映像をテレビ局や通信局に提供する他、コメンテーターとして各メディアで発言、全国各地で講演を行っている。
伊藤和子(弁護士/ヒューマンライツ・ナウ 副理事長)
1994年弁護士登録、東京弁護士会所属。弁護士登録以来、冤罪・子ども・女性の権利など、人権に関わる事件をてがける。2004年よりニューヨーク大学ロースクール客員研究員として留学、その後、ジュネーブ国連人権小委員会インターン、ニューヨークで国際人権NGO Center for Constitutional Rightsのインターン、NGO国連代表代理などを経て帰国。2006年7月にヒューマンライツ・ナウの立上げに関わり、現在、副理事長。東京弁護士会および日弁連の両性の平等に関する委員会委員長を歴任。 主な著作は、岩波ジュニア新書「人権は国境を越えて」、合同出版「人権で世界を変える30の方法」(共編著)。
■主催:
・認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ
・早稲田大学文学部/文学研究科 中東・イスラーム研究コース
・〈パレスチナ〉を生きる人々を想う学生若者有志の会
・科研基盤研究(A)「トランスナショナル時代の人間と「祖国」の関係性をめぐる人文学的・領域横断的研究」