横浜市にある、とあるグループホームを訪問してみた

生きていると、楽しいことよりも、苦しいこと、辛いことの方が圧倒的に多い。

しかし、「人生は、まだまだ捨てたものじゃない!」と感じる瞬間が、筆者には年に数回ある。

先日、そう感じた瞬間があった。以下、備忘録として記しておこうと思う。

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ご縁があり、横浜市にある「グループホーム」を見学させて頂いた。

グループホームとは、簡単に言うと、高齢や障がい等の理由で、病院等を出た後、住み慣れた地域での暮らしを継続できる「地域密着型サービス」のこと。

今回訪問したグループホームは、障害者総合支援法に基づき「共同生活援助」事業を行っている。

個人的にお世話になっているTさんが、上記グループホームの管理者。

Tさんは、福祉に関して熱いハートをお持ちの方で、心から尊敬する方。 そのTさんのお話を聞かせて頂き、筆者は胸が熱くなり、何だか生きる力が湧いてきたのである。

頂いた「グループホーム(以下、GH)」の紹介の資料の1ページ目には、以下の言葉が書かれてあった。
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情緒も人情もまだ残る街で、街の歴史を守る人がいる。あたたかい心を持った人がいる。

安心できるお医者さんがいる。

そんな町で、ひとりひとりの夢と向き合って生きたい。

心も体も安心して生活できる場所であって欲しい。

障がいがあっても、傷ついていても、一人にはさせない。

引っ越してきたその日から「浜っ子」 おせっかいな、自称「おたすけまん」たちが、そんな「浜っ子」と一緒に生きています」
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訪問させていただき、改めて上記の言葉の意味が分かるような気がした。

施設の職員の方々も、なんだか「ほっこり」していて、その場全体に優しい空気が流れているような感じなのだ。

Tさんの話によれば、地主さんが、地元の有力者で、かつ広大な土地を持っており、自由に使え!的な感じで、地域に溶け込んだ形で自由に使わせていただいているとのこと。

まず地主さんの協力があること。そして地主さんが、地元では知らない人はいないというほどの力があるので、「施設コンフリクト」問題は、この地域では起きないだ。

さらにTさんによれば、そのGHでは、入居者の90%以上が、過去に触法等、何らかの罪を犯した人で、保護観察所からの紹介も多いとか。約4割は生活保護受給者とも。

同時に、ほとんどの人が、愛着障害・発達障害、そしてアルコール等の依存症の問題を抱えており、同時に暴力や強度行動障害等もがある方も多いとのこと。(現時点での入居者は、全員男性)

入居者の大多数は、今までの人生の中で「社会のルールを破ってナンボ」というような感覚で生きてきた人ばかり。GH内でも、日常的なトラブルは、頻繁に起こるそう。

しかし、Tさんらスタッフの献身的な働きもあり、入居者の中で再犯をした人は、何とGH設立から二年でゼロ!。

そして金銭管理が苦手な人が大多数な為、一日1000円を直接、スタッフの方々が手渡ししているとのこと(安否確認も兼ねて)。

一人の人が罪を犯して、裁判を経て刑務所に行けば、年間1000万くらいかかるらしい。Tさんらの取り組みは、医療で言うとまさに<予防>にあたり、費用対効果の面でもコスパ最高!な取り組みであることは明らか。再犯率が約5割という現状なので・・・

さらにTさんはお話をされる中で「社会的重度」という言葉を何度も言われていた。

つまり、障害の重い人は病院や施設に。そして、障がいが軽い人は地域に!と言うけど、その中間が必要ではないか?ある程度、入居者が暴れて壁を殴っても、壁が壊れないような、ハード面の強化があるような場所。

かつ生活訓練や就労支援もしてくれるような場。病院や施設、そして地域との間にある<中間的な場所>が必要ではないか?と。

同時に、TさんのGHでは、働くスタッフのメンタルケアにも力を入れているとのこと。。

12名のスタッフ中、4名が正規。フルタイムの非常勤が3名。

あとはTさん繋がりの専門職だったり夜勤の方が5名。(夜勤も二名体制で回しているらしい)

そのほか、スタッフに長く働いてほしいからと退職金制度も作ったり、その他、福利厚生、そしてキャリアアップに繋がるようなシステムも整えつつあるとのこと。

Tさんは、利用者とスタッフに分け隔てなく接し、そのあたたかい願いや想いが施設全体に、いい意味で伝染し、利用者の再犯ゼロ!という素晴らしい結果に繋がっているのだろう。

しかし、Tさんは、利用者に対し、怒るときは怒る、でもそのあとは、女性スタッフらが、ちゃんと利用者らをフォローするというような感じで、入居者に関わっているのを見るにつけ、適切な距離感を保ちつつ、信頼関係が絶妙だなと感じた。

最後に「自分自身で変わりたい」という思いを持った人なら、どんな過去があっても受け入れると、Tさんは言っていた。

例えば、家庭内暴力で、もうどうにもならないとGHにやってきた入居者さんのAさんは、GHで暴れた時、Tさんからこう言われたとか。

「現実を見ろ、お前は他に行く所がないから、うちに来たんだろ」 と。

Tさんの人柄もあり、このGHは、引っ越してきたその日から皆が「浜っ子」。

そんな素敵なGHを管理者として運営なさるTさんに対し、心からの経緯と賞賛を送りたい。

生きていると、楽しいことよりも、苦しいこと、辛いことの方が多いと、筆者は冒頭に書いた。

しかし、Tさんのような素敵な方と出会うと、もう一回、頑張ってみよう、もう一回、めげずにやってみようと素直に思えてくる。

Tさんのような方に出会うと、生きる力が湧いてくる。

Tさんのお話を聞かせて頂いた者の責任として、私もできることを自分なりに精一杯やっていこう。

改めてTさん、ありがとうございました!

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※上記のGHに関して、「入居したい」「見学に行きたい」等、ご興味を持たれた方は、このHPの問い合わせ欄から、ご連絡ください。個別に対応させていただきます。

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