東京を震度7の地震が襲えば…4日後のタワマンは「地獄」 電気が使えず、水も出ない 中層階以上はほぼ生活不可能

【マンション業界の秘密】東京を震度7の地震が襲えば…4日後のタワマンは「地獄」 電気が使えず、水も出ない 中層階以上はほぼ生活不可能(1/2ページ) – イザ! (iza.ne.jp)

私はマンション購入の相談をいただくことも多い。1年ほど前、あるご夫妻からの相談は印象的だった。

彼らはすでにマンションを購入して住んでいたが、引っ越したいという。理由は、今住んでいるところが、ハザードマップで水害時の浸水が5~10メートルと指定されていたことにショックを受けたのだとか。だから、すぐにでも…とおっしゃった。

水害を想定したハザードマップというのは、土地の標高を基準に策定されている。当たり前だが、水は高きから低きへ流れる。潮位や川の水位が上がって堤防を超えるなどすれば、標高の低いところは浸水する。

東京都江東区の区役所前には「××年の水害ではこのレベルまで浸水しました」というモニュメントが立っている。優に大人の背丈を超えるところまで浸水していたことが分かるので、ちょっとビックリする。

しかし、だからといってまたやってくるとはかぎらない。江東区で江戸時代からやっているという老舗の釣り舟屋さんを取材したことがある。そこから見える食糧倉庫跡地に開発されたマンションの広告づくりのためだった。

そこのご主人がしみじみと言った。

「あの食糧倉庫ができたときにじいさんが『これで津波はこねえ』と喜んだものさ。そこがマンションに変わるのですか。なおさら津波はこないな」

隅田川や荒川は日本の首都を流れる一級河川である。そこにはどこよりも治水に万全な対策がなされている。例えば、荒川下流東の江戸川区南部は、100年以上も床下浸水の被害さえない。多摩川が越水した2019年の台風19号の時でさえ、水位は堤防まで1メートル以上の余裕があった。

その台風19号で大きな被害を受けたのは、多摩川の西側にあったあるタワーマンションだった。内水氾濫によって地下の電気室が冠水。電気が使えなくなったことでエレベーターとトイレが使用不能となった。住民は約1週間の間、簡易トイレを使うかマンション外で寝泊まりするか、という選択に迫られた。

仮に震度7の地震が東京を襲ったとする。電気・ガス・水道は約1週間、復旧しないと想定すると、最新型のタワマンでも自家発電の燃料切れとなる4日目以降からは、電気が使えなくなる。トイレが使えなくなる上に、水も出ないし流せない。中層階以上では、ほぼ生活不可能だ。

避難所は、自宅にいた状態で命の危険がある方の収容が最優先である。タワマン住民を受け入れることを想定していない。理由は、そのキャパがないからだ。

そう考えれば、隅田川や荒川流域のハザードマップで水害の危険が想定されるエリアで暮らすよりも、タワマン居住の方がはるかに災害耐性は脆弱であるといえる。多くの人はそのことに気付いていないが、一度でも震度7がくれば、否が応でも実感することになる。

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