現在、アメリカとロシアが保有する約12000発の核弾頭のうち、2581発が15分以内の”警報即時発射”ができる状態に維持されている事をご存知だろうか(1)。
この核爆弾1発の威力は、広島に投下された原爆の約900倍(2)にも上るのだが、さらに驚くべきことに、このシステムには発射命令を撤回する機能がないのである(3)。
つまり、もし攻撃察知が間違っていたとしても、確実に核弾頭が投下されるのと同時に、その一発目の発射を皮切りに他の核弾頭が即時発射されることになるのだ。
さらに現在、ワシントンDCを3、4分以内に攻撃できるロシアの”極超音速ツィルコンミサイル”が既に実戦配備されていることを考慮すると、実際の核戦争の所要時間は30分に満たないだろう。
戦争が人類を終わらせるか、人類が戦争を終わらせるか。
戦争の破壊力が人類の存続を脅かすものとなった今、人類はまさにその選択を迫られている、、、
(1) Starr, Steven [2018] “De-Alerting Nuclear Weapons,” Unsere Zeitung
(2) TNT1億トンに値する(TNT=核爆弾の爆発エネルギーを表す単位)
(3) 2023年4月22日のスティーブン・スター教授による演説
“America in a World Without War”
https://www.youtube.com/watch?v=GeSEbAY5-GU (from 1:18:00, 17min)
アスカ・バーク「戦争の病理と帝国主義」 大阪保険医雑誌 2023年8・9月合併号掲載