カリタス: アガペー のラテン語訳(本田哲郎神父)

カリタス: アガペー のラテン語訳

互いに大切にしあう

これが一番大事なこと。

ほかにもっと大事なことはないんだろうかと、考える必要はない。

大事なことはたった一つ。

教会に来ると、ねえ、掟と呼ばれるものが山ほどあるかのような錯覚を持たされる。

モーゼの十戒とか。

ずらずらずらと書いてある。

だけど、幸か不幸か何も覚えていない。

一言で言ったら、一つだけ。

互いに大切にしあいなさい。

自分がどういう扱いを受けたか、それを思い出して、仲間に対して大切にする。

それさえ守っていたら大丈夫だよ、と。

「あー、今日は日曜日だったけど、教会へ行ってないなあ」って、そんなこと悔やむ必要はない。

教会に来なくてもいいんです。

家族、病人を大切にする。

教会はこれまでそういう人たちを「愛さなければいけない」と教え込んできた。

人間をだれでも愛するなんてできっこないんですよ。

できるはずがないですよ。

じゃあ、聖書が間違ってたの? 

そうじゃ、ないんですよ。

聖書は間違ってないんですよ。

アガペーの翻訳が間違っていた。

アガペーというのは「大切にする」

それを、誰に対しても「愛さなければ駄目だ」と教会は教えた。

押し付けた。

その結果、偽善者が山ほど生まれた。

「私はあなたを愛しています!」。

でも、言われた方だって権利ありますよね。

「あんたに愛されたら困る」(笑い)。

それをね、教会という所が「愛さなければ」と教え込んできたものだから偽善者が山ほど生まれた。

愛というものを普遍化した結果です。

ギリシャ語の原文通り「大切にしあう」。

相手の尊厳をしっかり認めて、大切にしあう。

聖書が日本で最初に翻訳されたとき(秀吉の時代)はなんと「御大切」だった。

それが明治時代にインテリたちが考えて「愛」としたものだから訳が分からなくなってしまった。

(本田哲郎神父)

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