レイバー映画祭2023~『サラリーマン』をメイン上映(東京・水道橋) (labornetjp.org)
レイバー映画祭2023〜『サラリーマン』をメイン上映
2023年6月、入管法改悪法案が強行採決された。ウィシュマさんの命を虫けら同然に奪っても、日本政府は顧みることはなかった。
「仲間を殺すな!」「共に生きる社会を!」そういって、かつてないほど若者が立ち上がった。私たちの命や暮らしが奪われようとしている今こそ、手を携えていこう。声をあげ、自ら表現しよう。
そんな力溢れる映画が今年も満載です。今回のメインは、ドキュメンタリー映画『サラリーマン』。日本のホワイトカラー労働者の素顔に迫っています。ぜひご覧ください。
●7月29日(土)全水道会館4Fホール(JR水道橋東口2分)
●参加費 一般2000円(前売予約 1700円)学生無料(失業者・障害者1000円)
→予約フォーム https://labornetjp.jimdofree.com
●主催 レイバーネット日本 事務局メール
<プログラム>
10:00 開場
10:30 『サイレント・フォールアウト〜乳歯が語る大陸汚染』
12:10 休憩(35分)
12:45 『春をかさねて』『あなたの瞳に話せたら』
14:15 『ドキュメント石垣島〜2023年3月陸自ミサイル基地開設の瞬間』
14:45『ドキュメント わたしの好きな店』
15:10 休憩(15分)
15:25 労働現場から 短編ドキュメンタリー
『在日ビルマ労組 ここにあり』
『非正規春闘〜ABCマート5000人の賃上げをかちとるまで』
『大リストラNO!〜Googleユニオンのたたかい』 (東京管理職ユニオン)
『わたしは非正規公務員』(山岸薫)
17:00 『サラリーマン』(原題「Salaryman」)
18:35 終了
※映画の上映後に制作者、関係者のトークがあります。
〇『サラリーマン』(原題「salaryman」)アレグラ・パチェコ 2021年/80分
*パチェコ監督(日本の展示会で)
「こちらは死人ではありません。普通のサラリーマンです」。コスタリカ出身の写真家、アレグラ・パチェコさん(36)は、路上で寝るサラリーマンの周りを白い線で囲って写真を撮った。なんでスーツ姿のまま路上で眠り込んでいるのだろう。そんな疑問をきっかけに、映画作りが始まった。2014年から5年の歳月をかけて、100人ほどに取材をした。パチェコさんは居酒屋で飲んだくれる人たちにマイクを向ける。「サラリーマンって何ですか?」。そう問うと彼らは、笑いながらも堂々と答える。「社畜です!」と。企業戦士とよく言われてきたが、その泥酔の末に倒れている姿はまさに、戦場で戦死している姿だった。
映画は海外女性アーティストの新鮮な眼で、日本のサラリーマンの典型的な24時間をしっかり捉えている。一生懸命働き、一生懸命飲む。家庭を顧みず、自分の生活を犠牲にする。頻発する過労死や自死。日本は海外から「労働者の権利が護られていない国」と揶揄されているが、映画を観ているとその通りだと言わざるをえない。 いま、こうしたサラリーマンが支えた経済大国ニッポンに、大きな陰りが見え始めている。このドキュメンタリーは「今までの働き方、生き方で本当にいいのだろうか」という問いを、私たちに突き付けてくるのだ。
*上映後、パチェコ監督からのビデオメッセージ。また出演者の神部紅さん(東京管理職ユニオン書記長)のトークがあります。
<作品紹介>
〇『サイレント・フォールアウト〜乳歯が語る大陸汚染』 伊東英朗 2023年/96分
ТVディレクターの伊藤英朗さんは、20年にわたってアメリカの核実験による放射能汚染を追い続けてきた。『放射線を浴びたX年後』(2012年)では、第五福竜丸をはじめとする日本のマグロ船の漁師たちのことを伝えたが、本作では重要秘密文書や研究者の証言により、核実験の当事国アメリカの実態に迫った。実相が明らかにされないまま、放射能被害はくり返されている。そんなことは許さないと、映画は訴える。
〇『春をかさねて』『あなたの瞳に話せたら』 佐藤そのみ 75分
宮城県石巻市・大川小学校は、東日本大震災の津波で74名の児童と10名の教職員がのみ込まれた。当時中学生だった佐藤そのみさんは、大川小学校6年生の妹を亡くした。自然豊かな風景は一変し、穏やかだった日常が奪われ、さまざまな感情が交錯する。葛藤しながら、震災と故郷に向き合い続け、劇映画「春をかさねて」とドキュメンタリー「あなたの瞳〜」の2つの手法で見事にそれを表現した。
〇『ドキュメント石垣島 2023年3月陸自ミサイル基地開設の瞬間』 湯本雅典 2023年・20分
2023年3月、沖縄県石垣島では陸上自衛隊石垣駐屯地開設のための作業が一気に行われた。ミサイル発射台車両を含む軍用車両の陸揚げから搬入、住民説明会の様子などをカメラは追う。駐屯地ゲートでは自動小銃を携行し、市街地の3カ所の宿舎から迷彩服で出勤する自衛隊員たち。本土ではまったく報じられない沖縄の日常。その一部始終を映像で伝える。
〇『ドキュメント 私の好きな店』 津田修一 2023年/20分
コロナ禍の3年間。愛すべき地元の町中華や定食屋が苦しんでいた。応援するために、カメラを回し始めたが、閉店してしまった店は一つや二つではない。解体現場に足を運んだ作者がみたものは・・・・。
【短編ドキュメンタリー〜労働現場から】
〇『在日ビルマ労組 ここにあり』 山村淳平 2023年/20分
2002年に結成された在日ビルマ市民労働組合(FWUBC)は、日本ではじめての外国人による労働組合だ。入管による難民不認定と強制収容、技能実習生制度での賃金未払・暴力・強制帰国、そして女性の中絶など、在日ビルマ人は厳しい状況に置かれている。困難な中にあっても、在日ビルマ人たちは、次の世代と日本社会に期待を寄せつつ、祖国で培われた非暴力と平和の精神を日本で貫こうとしている。
〇『非正規春闘〜ABCマート5000人の賃上げを勝ち取るまで』 総合サポートユニオン 2023年/7分
物価高騰する中で会社が言ってきたのは20円の賃下げ。とんでもない。これじゃ生活できない。あきらめないで一歩踏み出した女性非正規社員の記録
〇『大リストラNO!〜Googleユニオンのたたかい』 東京管理職ユニオン 2023年/10分
今年1月、Google本社は世界で1万2千人の従業員を削減すると発表した。日本でも多くの人がリストアップされていることを知り、Google日本で働く仲間は、雇用不安のなか労働組合を結成した。3月、ホテルで開催された初めての団体交渉。怒りの組合員50人は「リストラするな!」と英語と日本語で叫んだ。
〇『わたしは非正規公務員』 山岸薫 2023年/20分
非正規公務員を知っていますか? 保育士、看護師、教員、就労支援員、児童相談員、生活保護の窓口、DV相談など、市民の暮らしから命を預かる現場まで、非正規公務員がその多くを支えています。でもその働き方は不安定そのもの。一年任期を繰り返し、最低賃金レベル。意見をいえば雇い止めが待っている・・・。それでも市民のためにと懸命に働く当事者たちが、カウンターの中から重い口を開きます。