今日、世界をめぐるマネーは300兆ドルといわれる(年間通貨取引高)。
地球上に存在する国々の国内総生産(GDP)の総額は30兆ドル。
同じく世界の貿易決済に必要なドルは8兆ドルに過ぎない。
この巨大な通貨の総体はそのままコンピュータ・ネットワークを従僕とした世界金融システムと同義であり、その世界金融システムは「商品として売買される通貨」をこそ前提としている、、、
言葉を換えていえば、いまや世界のすべての地域と人は、そのようなマネーの暴力の前に裸で身をさらすことを余儀なくされているのである。
日本放送出版協会 エンデの遺言「根源からお金を問うこと」 内橋克人 2000年