日本の防衛費増額「私が説得した」バイデン大統領の発言に高まる岸田首相への不信感「国民への裏切り」「米国の傀儡」(SmartFLASH) – Yahoo!ニュース
6月20日、米国のバイデン大統領は、カリフォルニア州で開いた支持者集会で、日本の防衛費の大幅増額をめぐり、自ら岸田文雄首相に働きかけた成果だったとアピールした。
「日本は長い間、軍事予算を増額してこなかった。しかし、どうだろう? 私は、議長、大統領、副議長、失礼、日本の指導者と、広島を含めておそらく3回、異なる機会に会い、私は彼(岸田首相)を説得し、彼自身も何か違うことをしなければならないと確信した」
北大西洋条約機構(NATO)は、加盟国に対国内総生産(GDP)比2%の防衛費確保を求めている。
バイデン大統領は「日本は、軍事予算を飛躍的に増大させた。日本が欧州での戦争に関心を持ち、ウクライナへの支援に貢献しているのはいつ以来か?」とも述べ、日本のウクライナ支援強化も、自らが引き出したものだとアピールした。読売新聞が報じた。
バイデン大統領は2022年5月に来日し、岸田首相と会談。
5月23日、バイデン大統領との共同記者会見で岸田首相は「私から、日本の防衛力を抜本的に強化し、その裏づけとなる防衛費の相当な増額を確保する決意を表明した」ことを明らかにした。
岸田首相は、バイデン大統領から「強い支持」を得たと説明。
さらに「日米で安全保障、防衛協力を拡大、深化させることで一致した。バイデン大統領からは、日本の防衛へのコミットメントがあらためて表明された」と言及していた。
同年5月31日には、参院予算委員会で、共産党の小池晃書記局長から「防衛費増額は対米公約か?」と問われ、岸田首相は「我が国が主体的に決めるものであり、けっして対米公約ではない」と否定していた。
そして同年12月、岸田政権は、2023年度から5年間の防衛費総額を43兆円程度とすることを閣議決定。
現行の計画から1.6倍に積み増す、過去最大の増額となった。
防衛費増額に向けた財源確保法は、6月16日に成立。
その直後に、バイデン大統領の発言が飛び出したかたちとなった。
立憲民主党の米山隆一衆院議員は6月22日、自身のTwitterにこう書きこんだ。
《岸田内閣の日本の国力に合わない、無理やりな「財源なきGDP2%への防衛費倍増」は、独自の積み上げでもなんでもなく、アメリカの説得(押し付け)によるものである事が、公開されてしまいました。これは、岸田総理の国会での答弁にも反します。国民に対する裏切だと思います》
漫画家の倉田真由美氏も同日、自身のTwitterに《アメリカ様のいうがまま。飼われてるのかな》と書きこんだ。
日本の防衛費増額に関して、バイデン大統領が「私が3度会い、説得した」と発言したことに、SNSでは怒りの声が上がっている。
《アメリカの言いなり。こんなことかとは思っていたが、防衛費増額論議は、臨時国会を開いてやり直しだな》
《米国の傀儡である事が明確に。米国の型落ち装備を、3倍以上の値段で買わされ続ける日本》
《内政干渉 国会閉会後 二重に怒りがこみ上げてくる》
一方、バイデン大統領は岸田首相に言及する際、「議長」「大統領」などと何度も言い間違えたあと、「日本の指導者」と発言。
5月のG7広島サミットでも岸田首相に「大統領」と話しかけたこともあり、SNSでは、バイデン大統領の発言を疑問視する声も上がっている。
《バイデンはあいかわらず口が軽いというか。余計な事をいう人というか。何をいまさらというか》
《ここ最近、バイデンの発言がめちゃくちゃ、習近平の事を独裁者と呼んだり》
《自分は何を言っているのか理解してないのでは?》
バイデン大統領は、日本の防衛費増額にふれた同じスピーチで、中国の習近平国家主席を「独裁者」と表現。
中国外務省は、「公然たる政治的挑発」と猛反発した。
ブリンケン米国務長官が訪中して「対話の維持」を確認した直後の発言だ。
1度のスピーチで2カ国を怒らせるバイデン大統領の「放言癖」。くれぐれも慎んでもらいたいものだ。