痴漢の回避・対処方法〜悪いのは加害者です〜 – ピルにゃん (pillnyan.jp)
一般社団法人痴漢抑止活動センターが作成した「痴漢の真実」という3分動画をご紹介します。痴漢の被害と加害の実態について、「思い込み」ではなく、正しく理解する良いきっかけになればと思います。是非、ご覧ください。
3分動画を見てみよう!
痴漢について知識をアップデート!
痴漢の実態を見てみると、痴漢加害者は「衝動的に魔が差した」から実行することは稀で、犯行する場所・相手を選んで、計画的に繰り替えし実行する常習犯がとても多いのです。
痴漢の「場所別検挙状況」を見てみると、半数近く(45%)は、やっぱり電車内なんだね。
電車に乗るときに、どんなことに気をつけたらいいのかを考えてみよう!
痴漢の場所別検挙状況
1位 | 電車 | 45% |
2位 | 駅構内 | 19% |
3位 | 店舗内 | 10% |
4位 | 路上 | 9% |
5位 | 商業施設 | 2% |
その他 | 15% |
警視庁「都内
における性犯罪(強制性交等・強制わいせつ・痴漢)の発生状況(令和元年中)」
痴漢被害の回避方法
ポイント1) 乗車前
周辺チェックして、挙動不審な人がいたら近くに並ばない。乗る車両を変え、並び直す。
恐ろしいことに、痴漢常習者は毎日日課として痴漢行為を行う人がいます。電車を乗る前に痴漢をしやすそうな相手を物色してターゲットを定めます。
・電車が来たのに乗らない
・キョロキョロを辺りを見渡している
・女性など特定の相手を目で追っている
など「なんか、おかしいな」と思う人がいたら、他の乗車口に並び直しましょう。女性専用車両があれば、女性専用車両はおすすめです。
ポイント2) 乗車中の立ち位置
電車のドア周辺、車両の連結部分を避ける。
「逃げやすい」「他の乗客から死角になりやすい」という場所は、痴漢が多発します。
ラッシュ時は「すみません!通ります!」等と声を出して、車両中央部分や座席エリアに進むようにしてみてください。
ポイント3) 狙われづらい工夫
痴漢常習者は、犯行したら黙って我慢しそう、大人しそうな人だと(勝手に判断して)狙ってくるので、「主張がありそう」な雰囲気を出す工夫をする。
一度でも痴漢に遭うと、怖くなって電車に乗るときに、背中を丸めて縮こまってしまうこともあると思います。そうすると加害者にとっては「自信がなさそう」と判断(思い込み)してきます。加害者が一番怖いことは「反撃されること」ですので、「反撃しそう」な人だと判断させることで被害に遭う可能性は低くなります。
・背筋を伸ばして、シャキっとしている雰囲気を出す
・痴漢抑止バッジをつける
など工夫をしてみてください。
スカートが短い、露出が高いなどが被害に遭いやすいと一般的には思われがちですが、実際は、比較的地味な服装を好む方の方がターゲットにしやすい、と痴漢加害者の元受刑者の証言などで言われています。毎日痴漢に悩まされている女性が、金髪にヘアスタイルを変えたら痴漢されなくなった、などの事例もあります。(この事例は加害者心理を理解していただくために、例示したものです。本来、みんなが自分の好きな服装・ファッションを楽しんでいても、安全が確保された社会であるべきなので、「予防」「性犯罪回避」のために服装を変えることを推奨しているわけでは全くありません。)
※「痴漢抑止バッジ」には、「痴漢は犯罪です。私たちは泣き寝入りしません」と書かれています。痴漢に対して断固とした手段を取ると意志表明しているタイプの人はターゲットとして避けられます。
痴漢抑止バッジって何ですか?
毎日のように被害にあっていた女子高校生(当時)が母親と2人で考案しました。
「痴漢は犯罪です。私は泣き寝入りしません!」というカードを作って身につけてみたところ、それ以来痴漢被害に遭わなくなったそうです。
悪いのは100%加害者です。被害者は悪くありません。
このページでは、回避方法の情報提供をしていますが、被害に遭ってしまったり、被害に遭ったときに、うまく対処できなかったとしても、被害者に一切の落ち度はありません。
被害者に対し「なぜ声をあげなかったの?」「あなたが無防備だから」のような、被害者の行動を問題視したり責める行為は【セカンドレイプ】です。セカンドレイプは、性犯罪に遭った本人が周囲からの無理解で二重に傷つく、性的二次被害のことを言います。
偶然・・・?それとも痴漢??
痴漢かな・・・と思っても、たまたま手が当たっただけかもしれない。そう思って、声を上げるのを、一瞬ためらってしまいます。どうしたらいいでしょうか?
2度も3度も当たる場合は痴漢と考えて、対処しましょう
- もし痴漢でないのであれば、「痴漢と間違われたくない」と思いますので、相手からぶつからないように、体勢を変えたり気をつける対応をします。
- 「揺れているタイミングにだけ当たる」場合であっても、何度も当たる場合は同様です。偶然を装って巧妙化している痴漢常習者もいます。
2〜3度続いたら「痴漢」だと思って、次の対処をしましょう!
痴漢被害の対処方法
被害に遭ってしまったとき、強い態度で「相手の手を掴んで、加害者を警察に突き出す!」というのができれば、それも良いやり方で、大変価値あることだと思います。
ただ、実際には、怖くて声もあげられないという場合もありますので、まずは、今起きている被害から自分を守ることが大切です。行為がエスカレートしないように早めに察知して対処する方法について記載します。
無言で対処する方法
- 手で振り払う
- 身体の向きを変える(変えようとする)
- 舌打ちをする
- 相手を睨みつける
- カバンでガードする など
声を出す
大声を出さなくても、「あたってます」「やめてください」と、周囲の人2〜3人に聞こえる程度でつぶやくだけでもいいのです。周りの人の注目・プレッシャーがかかるだけでも違います。
最近の事例で「痴漢!!」というと「示談金、目当てだろう?冤罪だ!」などと逆ギレされるケースもあります。痴漢された上に、こちらが罪を追っているような状況に追い込まれるのは、精神的に大変つらいです。「痴漢と間違われますよ?」「当たっています」のような言い方が、逆ギレを防げる言い方です。
痴漢から離れる
混雑時は難しいですが「すみません!通ります。」「降ります。」等と声をかけて、移動させてもらいましょう。次の駅についたら、車両を変えるのも一つの手です。
もっと詳しく知りたい方は
1)一般社団法人痴漢抑止活動センターの情報ページをチェック
2)性犯罪や依存症の加害者臨床(更生)の専門家である斉藤章佳さんの著書「男が痴漢になる理由」を読む
▼合わせて読みたい!痴漢現場に遭遇してしまった時、どうしたらいい?
この記事は、一般社団法人痴漢抑止活動センターの代表理事 松永弥生さんに監修いただいています。