グローバルアグリビジネスと国際金融資本は、米価高騰の主犯として農協を名指し、解体論に火をつけてくる

米価高騰について、「根本原因が需給逼迫であるなら、この価格が《適正》なのだろう」「人為的に下げるためには、かつての食管法体制や農家の個別所得補償のようなかたちで税支出するしかない、その場合消費者は、スーパーで支払う米の代金に加えて別の経路でお米代を出すことになる」とこの間私は説明しているのだが、これを言うと「庶民感覚からズレている」と騒ぐ、私から見ると頭のおかしい人たちがいる。

その人たちの考えは、「ともかくもっと安くなければならない」「税金のかたちでお米代を取られるのもイヤだ」ということらしいが、それをかなえるには、関税を下げて安い米を輸入するしかないです。で、それもイヤなんでしょ? とすると《庶民感覚》に基づき発言する彼らは、「日本の米農家はタダ働き同然で私のために米を生産・供給してくれるのが当然だ」と事実上考えているってことになる。

なんでアカの他人があんたに奉仕しなければならないんだ? 私が「頭がおかしいのではないか」と思う所以である。

そして多分、この《庶民感覚》という名の衆愚につけ込んで、グローバルアグリビジネスと国際金融資本は、米価高騰の主犯として農協を名指し、解体論に火をつけてくる。小泉進次郎登場に重々警戒せよ、と呼び掛ける所以である。

白井 聡/Shirai Satoshi on X

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