「死を全ての終わりと捉える必要はない」

「生きている者にとって死は必然ではあるけれども、死を全ての終わりと捉える必要はない。患者さんともよく話をするんですけど、今私はそう考えています」

どんな世界かは、行ってみないとわかりませんが(笑)、患者さんには「死んだ後の世界でやりたいことがあります」「この世でできなかったことです」と伝えています。

死後の世界で「居酒屋ふーちゃん」開きたい  

それが次の世界での「ビジョン」です。

後日、ある患者さんに「自分を居酒屋の2号店の店長にしてください」と言われました。「じゃ、私が先に死ななきゃ」と答えると、「すみません、そうです」という返事。笑いも生まれます。  

死んでいくということが宿命だとしたら、その宿命は引き受けなくちゃいけませんよね。ただ次のビジョンを持つことで、この世界にいるときは精いっぱい生きようという思いにつながる。喪失の悲しみは避けられないにしても、再会の希望は持てる。亡くなっていく人、残った人が、具体的な約束ができるわけです。

「じゃあまた、『居酒屋ふーちゃん』で会おうねって」

ステージ4のがんを抱える緩和ケア医・山崎章郎さんの試みと「死後のビジョン」とは?
【読売新聞】編集委員 伊藤剛寛  東京の緩和ケア医・山崎 章 ( ふみ ) 郎 ( お ) さん(77)は、ステージ4の大腸がんを抱えながら、仕事を続けている。2023年から新たに取り組んでいるのが、既存の糖尿病治療薬等を併用した食
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