人形アニメーションの巨匠・川本喜八郎の生誕100年を記念して、池袋・文芸座にて長編大作『蓮如とのその母』が上映! それは見るしかないでしょう!ということで、池袋・文芸座へ。
(筆者は浄土真宗の僧侶ですが、浄土真宗(仏教)の専門的な知識がなくても楽しめる作品となっています。もちろん、正信偈など、浄土真宗特有のお経の話も出てきますので、ある程度、知っていれば、さらに楽しめるかと・・・)
子供の時、「三国志」ですっかり川本ファンになってしまった筆者にとっては、美しい人形を映画館の大画面で見ているだけでも至福のひと時。しかも、それが動く!
音楽は昭和を代表する音楽家・武満徹!
人形と絵、そして、絵から飛び出たリアルな物と、京都や滋賀の現地の実写の映像。
これらが全てあわさって独特。照明も素晴らしく、美しい。
三国連太郎さん、池上季実子さんらの声も素晴らしい。黒柳徹子さんや 岸田今日子さんまでも、友情出演されています。全てにおいて傑作でした!
■監督:川本喜八郎
■脚本:新藤兼人
■アニメーション:川本喜八郎 / 峰岸裕和 / 大向とき子 / 長崎希 / 槙坂千鶴子ほか
■声の出演:大門正明 / 渡辺美佐子 / 池上季実子 / 三国連太郎 / 小沢昭一 / 泉ピンコ / 高松英郎 / 黒柳徹子(友情出演) / 岸田今日子(友情出演)他
■音楽:武満徹
蓮如は、乱世にあって貧困に喘ぐ民衆の心をつかんで<浄土真宗の中興の祖>となった室町時代の宗教家。
その史実をもとに、生き別れた母との再会を描いた平井清隆の小説「蓮如とその母」が原作。
川本が初の長編で「差別」という重いテーマに挑んだ作品。
映画の最後のエンドロールでは、滋賀県の同和問題に取り組む関係者の名前も出てきます。
この映画が製作されたのは1981年頃。蓮如の生涯と、滋賀県の歴史的背景も知っていると、より一層楽しめる映画かと思われます。