映画「belief」

昨年起こった元総理の襲撃事件の結果、政治と宗教の問題がクローズアップされている。

宗教・・・・と言っても、古今東西、様々な宗教があるが、今回、このブログで取り上げる宗教は、旧統〇教会のこと。

以下の映画を、たまたま横浜の映画館で見る機会があった。

映画 belief 公式ウェブサイト (devenir.info)

この映画『belief』(2007年/62分)は、旧統〇教会に、自分自身の母親が入信してしまい、息子である監督と母親の対話記録。

映画のホームページには、以下のようなことが書かれていた。


ある朝、母が宗教に入っていることを知る。

ぼくはただ、対話をするしかなかった。

母が宗教に通っていることを知って、ぼくはカメラを回し始めた。

様々な人と対話をする。

母の気持ちを理解するために。

次第にぼくは当事者としてこの一件に巻き込まれていく。

そしてぼくは、見つめることだけをする。

■上映作品

『belief』(2007年/62分)
出演:土居幸子、土居健一、土居りえ子、土居恭史郎、土居明日架、浅見定雄(聖書学者)、山口広(弁護士)、パスカル・ズィウ゛ィ(カウンセラー)、西田公昭(心理学者)

監督:土居哲真
製作:麻田弦 伊東美穂
音楽:福島諭
整音:横山純
意匠:桝尾あき
題字:並河久美子
配給:「belief」製作委員会

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■作品解説

ある朝、母がカルト視される宗教に入ったことを知った息子。

その現実に直面して、彼は母にカメラを向けた。

次の日、印鑑などの購入の他に、多額の献金をしていることが判明する。

どうしてこんなことになってしまったのか?

母は特別信仰心に篤い人ではない。

3年前に父が亡くなったことが原因かもしれない。

あるいは、仕事を辞めて毎日一人で家にいるのが悪かったのかもしれない。

繰り返される様々な対話。淡々と続いていく母の日常。

やがて疑問の矛先は彼自身に向けられる。

彼はうつ病を患っていた。苦しむ息子を思いやる母。

母はもしかしたら自分のためにカルトに入ったのではないか?

彼は事実を知ろうと思う。

カルトとは何か?そして、家族とは何か?

この映画は、監督自ら全編撮影し、母親をはじめとする家族、宗教信者、宗教識者、心理学者、弁護士らとの対話によって制作されている。

しかし本作を「カルト問題についてのドキュメンタリー」とだけ見ることは適切ではない。

これは、監督自身の母親への愛の告白であり、同時に母親の息子への愛の告白であり、そして家族というものがいかに成り立っているかということの記録でもある。

自分の母親と話がしたくなる、そんな映画。

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「belief」=「信念」「信仰」「信条」

映画のホームページの推薦コメントに、有名な紀藤正樹弁護士のコメントが掲載されていた。


紀藤正樹(弁護士)
カルト被害は財産被害だけではない。
家族被害や精神被害に及ぶ。
この映画は、カルトに入信した母を引きとめようとする子ども、
家族の葛藤を克明に描くことで、
被害者や家族がおちいる被害の深刻さをリアルに描いた。
心にしみとおるドキュメンタリー映画だ。


人間は弱い。だから、多かれ少なかれ、誰しもが、何かに依存しながら生きている。

だが、その弱さに漬け込み、不安を煽り、金を巻き上げるものが、宗教=カルトならば、話は別だ。

しかし、昨今の政治と宗教の問題を持ち出すまでもなく、この問題は根深い・・・

「解決への道が見えぬまま議論が続いていることが、問題の根深さを物語っている」と、映画の再上映に際し映画「belief」の監督は語っているが、まさにその通りだ。

どんなに時代が変わり、豊かで便利な時代になっても、人の心の底にある「不安」は消えることはない。

そして、その不安を煽り、商売に徹する輩がいることも。

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