【独自】主人の声が今も心の中で響きます。受刑者から手紙も。#安倍昭恵さん、ドキュメンタリー映画の舞台挨拶で心境を語る。

テレビ大阪ドキュメンタリー映画『おまえの親になったるで』の特別試写会が6月25日、都内で開かれました。

日本財団職親プロジェクト代表の中井政嗣氏(千房会長)、出演者でもある同関西代表の草刈健太郎社長(カンサイ建装工業社長)、公益財団法人・社会貢献支援財団会長を務める安倍昭恵さん、テレビ大阪報道部の北岸良枝監督が登壇しました。

最愛の妹を殺された草刈氏が、“加害者をなくせば、妹のような悲劇を生まない”と犯罪者の更生支援に尽力する姿を追ったドキュメンタリー。

700時間以上に及ぶ映像記録を再編集した劇場版が、東京・テアトル新宿(6月28日~)、アップリンク京都(7月19日~)で上映されます。

草刈さんは「今まで何回もテレビで取材していただいて、映画に入っていない部分もたくさんあるのですが、このように映画にしていただけて本当に感謝しています。(亡くなった)妹の顔を見るのは辛いのですが、本当に1人でも多くの人に関心を持っていただいて、再び頑張ろうとしている人を応援できるような社会になったらと思います」と語りました。

職親プロジェクトを立ち上げた千房・中井政嗣会長は、民間企業による更生支援について「千房という、おかげさまで大阪では知られたお好み焼き屋をやっていますが、かつて人材不足で大変な思いをした時期がありました。その際、採用した中に元受刑者もいたのですが、立派に立ち直ったという成功事例がありました。それを知った法務省矯正局から就労支援の依頼を受けました。最初は元受刑者と知った上で採用することに抵抗がありましたが、千房が元受刑者の就労支援を行っているということを世に知らしめることが大事と思いました。就労支援は昔からありましたが、どの会社が行っているのかは伏せられています。しかし千房は、このプロジェクトをオープンにさせることで現在までやってくることができました」と説明。

その上で、元受刑者は反省することはできても更生は1人でできず、草刈氏のような熱い想いや周囲の力が必要だと訴えました。

安倍昭恵さんは、#安倍元総理銃撃事件 から間もなく2年が経つなか、「私自身、被害者遺族という当事者ということから他人事ではないと思い、上映中、涙が止まりませんでした。草刈さんはじめ、皆さんがどんなに裏切られてもあきらめず、更生支援に努めていらっしゃる姿を見て、社会にとって本当にありがたいプロジェクトだと思いました」と心境を語りました。

また先日、岡山の刑務所で自身の複雑な感情を受刑者に向けて話した際、複数の受刑者から更生や社会貢献への決意をつづった手紙を受け取ったことを明らかにし、安倍さんが「私が話したことで少しでもそんなふうに思ってくださる方がいて、少しは役に立てるのかなと思います。主人も日頃から『再チャレンジ』と言っていたので、私も草刈さんや中井会長と一緒に再チャレンジできる世の中を作っていくお手伝いができないかと思っています」と涙ながらに語りました。

北岸監督は「職親プロジェクトの活動が12年目に入り、みなさんが熱意を込めて活動している姿をずっと間近で見させていただきました。少しでも多くの人に観ていただきたいという思いで長年取材を続けてまいりました。草刈さん、そしてご家族のみなさんには辛い思いの中、取材させていただいてありがとうございました。妹の福子さんと草刈さんおふたりが映画好きということから、このように映画という形にできたこともうれしく思っています」とこれまでの取材協力に感謝を述べました。

最後に草刈さんは「みなさんのおかげでやってきましたが、妹が殺されたとき、憎しみ恨みで本当にしんどい思いをしました。(加害者が)事件で何があったかはっきりしてもらわないうちは絶対に許せないと思います。そういう被害者を1人でも作らないためにも活動することはなかなか大変なことだと思います。(最近の事件に触れて)更生支援はリスクもありますし、そのリスクを防ぐために変えていかないといけない部分もあると思います。ただそれで支援をしないようになれば元受刑者は更生できなくなります。だから頑張っている人を応援しないといけないですし、周囲に関心を持つことで1人の命を救えるようになるかもしれません。みなさんとともに安心安全な街を作っていきたいと思いますのでよろしくお願いします」と締めくくりました。

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