「自由貿易とは多国籍企業だけが利益を得る仕組みである」

「自由貿易とは多国籍企業だけが利益を得る仕組みである」バラク・オバマ

大英帝国に植民地化された18世紀のインドでは、イギリス産の綿織物によって家内工業が根絶やしにされ、国中が餓死者で溢れ返ったという。

これは関税権の消失が破滅的事態をもたらすエピソードだが、現代でも自由貿易に加盟したほとんどの国で市民生活は悪化しているのだ。

それにもかかわらず、日本はTPP・EPA・FTAという三重の自由貿易協定を結んでしまったのである。

「略奪者のロジック」2020

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「市場参入を阻む国々の門戸を力ずくでこじ開けなくてはならない。たとえ他国の主権を踏みにじるとしても、投資家の特権を保護しなければならないのだ」

トーマス・ウッドロウ・ウィルソン


結局のところ自由貿易とは多国籍企業による「間接侵略」なのだ。

要するに彼ら自身は外交組織や軍事機構を持たないため、本国(アメリカ)にそれを代理させるという方法論なのである。

かくして外資の支配は農業や畜産だけでなく、製造、建設、通信、運輸、IT、金融、小売り、サービス、保険など産業の全域に及ぶのだ。

「略奪者のロジック」2020



海外では通信社が情報を集める

海外では、速報性の高いニュースなどは、ロイターやAP(ともに米国)、AFP(フランス)といった通信社が集めて来て、その情報をベースにして新聞社は誌面を作り、テレビ局はテレビ番組を作る。

米国では、通信社の記者と新聞記者とでは、その役割やスキルが大きく異なっており、日本で新聞記者が記者クラブで集めて来るような情報の大半は、海外では通信社が新聞社やテレビ局に提供していると考えていい。

米国の新聞記者は何をするかといえば、通信社がかき集めた情報の裏を取り、異なる意見を収集し、事実を分析、検証するという役割を担っている。

ニューヨーク・タイムズのように、毎日100ページを超える誌面を供給しているのも、そうしたシステムができているからだ。

ところが、日本の場合は通信社と新聞社、テレビといった垣根がほとんどなく、ニュースの現場にはどっと押しかけていく。

災害現場にヘリコプターが10機以上も飛び交って、よく批判を浴びるが、通信社が数社飛べば済むことを大手報道機関が全社でやっている。それが日本のシステムというわけだ。

日本では、新聞にせよ、テレビにせよ、同じ内容の記事がやたらに多い。

発言する関係者の顔ぶれも一緒ならコメント内容も同じ。

一時期テレビ東京が、他社と違う番組構成をかたくなに守る姿勢が高い評価を受けたが、問題なのは「大手メディアはなぜ他社と同じでなければならないのか」ということだ。

最低限ライバルと同じ横並びでなければいけない――という発想は日本特有のものなのかもしれないが、海外のメディアでは逆に恥ずべきことであり、許されないことといってよい。

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記者クラブ制度を改善、もしくは廃止しようという動きは、これまでにも数多くあったことは事実だ。

2001年5月には長野県の田中康夫県知事が「脱・記者クラブ宣言」を発表し、2006年には北海道が「道政記者クラブ」に対して記者クラブの水道光熱費など250万円の支払いを求めたことがニュースになった。

記者クラブ制度は、業界団体や経団連といった経済団体でも健在だ。かつて個別企業の中にあった記者クラブは今はなくなっている。

記者クラブ制度が映すジャーナリズムの難題 検証不足、横一線を続ける先に何があるのか | メディア業界 | 東洋経済オンライン (toyokeizai.net)

記者クラブ制度が映すジャーナリズムの難題
検証不足、横一線を続ける先に何があるのか

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