なぜ即興(劇)の上限時間は「2分」なのか
コミュニケーションに集中できる時間はせいぜい2分であることを前提に、さまざまなルールがあります。
例えば、複数のパネリストが一度に発言できる時間の上限は2分であることが多く、米国の大学では、発表時に1枚のスライドを2分以内に説明するように勧められます。
日本の英語検定試験の1級の2次試験で課せられる、即興のスピーチの上限も2分です。
先に説明した、個別の保健指導を受けている当事者と保健師・管理栄養士の2人の間で実施するロールプレイの上限を2分にしている理由の1つでもあります。
本書のほとんどの即興の上限時間を2分にしている他の理由は、即興の「後」に記憶に残すためです。
なぜなら、2分の対話で「言いたいことを全て言ってスッキリする」ことは困難ですので、「言い足りなかった」故に記憶に残りやすいと予想されます。
そもそも準備できない状態で即興を演じた「後」で、「ああ言えば良かった」と後悔することも、記憶に長く残る一助になると期待されます。
理解編 =なぜ健康教育にボアールの即興劇か、なぜ2分か
「2分の即興劇で生活習慣を変える! =健康教育プログラム= ゆうへいきょう著 16ページ
2023 社会保険出版社 「この即興劇は武道に似ている。生きる知恵と力が高まる」内田樹
(同13ページ: 新たな政策として、医療経済学者が注目しているのは生活習慣の改善です。
なぜなら、4つの生活習慣(食習慣、運動習慣、喫煙、飲酒)を完璧に改善すれば、総医療費の3分の1を削減できるという報告があるからです)
典拠: 経済産業省ヘルスケア産業課 https://shorturl.at/gitZ2