国連でドイツに批判集中――米国ユダヤ人の言葉

国連人権理事会(UN Human Rights Council)は11月9日、スイス・ジュネーブでドイツについての普遍的定期的審査(UPR)を実施した。

ガザ地区の問題でイスラエル支持を明確にする一方、国内でパレスチナ支持派の抗議活動を禁止するドイツの姿勢に対し非難が相次いだ(AFP 11月10日参照)。

エジプト代表は「パレスチナ人の権利に関して、ドイツが取っている好ましくない立場を深く遺憾に思う」と述べ、ヨルダン代表はドイツの「不均衡な立場」を非難した。

トルコ代表は、「イスラエルが戦争犯罪や人道に対する罪に使用する可能性のある軍事物資や軍装備品の提供を停止する」ようドイツに求めた。

カタール代表は「ドイツ国内でガザ住民を支持するデモの参加者に対する制裁などの措置」に懸念を表明。

レバノン代表はドイツに対し、「自国民の表現と集会の自由をめぐる権利の尊重し、守る」ことを求めた。

これに対して、ドイツ代表は、「ドイツにとって、イスラエルの安全保障と存在権については交渉の余地がない」と述べ、イスラエルの自衛権を繰り返し擁護したという。

ドイツが国連でここまで批判されるのは珍しい。

本「直言」のタイトルを「イスラエル批判は「反ユダヤ主義」なのか」としたが、この問いに対する米国のユダヤ系の人々からの言葉を最後に紹介して本稿を閉じよう。

米国のユダヤ系の作家やジャーナリストなどが署名した公開書簡は、「「イスラエル批判=反ユダヤ主義」のレトリックは「陰湿な口封じ」」というタイトルで、イスラエル政府を批判し、「停戦」と「占領の終結」を求めている。(Courrier Japon 2023年11月9日)。

「ガザ地区で何千人ものパレスチナ人が殺害されたことへの憤りを表明することは、本質的に反ユダヤ主義的なものは何もない」との考えを示し、「私たちは、あらゆる形態の反ユダヤ主義を拒否する」と立場を明確にしたうえで、こう記している。

「反ユダヤ主義の痛ましい歴史とユダヤ教の聖典の教訓があるからこそ、私たちはパレスチナ人の尊厳と主権を主張する」「私たちは停戦と、ガザ地区の人質とイスラエルのパレスチナ捕虜の安全な帰還のための解決策、そしてイスラエルによる継続的な占領の終結を求める」と。

「パレスチナ人の主権」という言葉は重い。

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