~築地本願寺が「宗教や仏教に関する意識調査」を実施~
「最近『宗教』に対して不信感が高まった」と10~40代女性の5割が回答。実際のお寺との接点はますます希薄化していることが浮き彫りに!|宗教法人 築地本願寺のプレスリリース (prtimes.jp)
築地本願寺(宗務長 中尾史峰、東京都中央区築地3-15-1)では「宗教や仏教に関する意識調査」を全国の男女18-70代、計1600名に行いました(2023年2月実施)。
「宗教・仏教」に対してのイメージや意識、その必要性についてもたずねた結果、「宗教」に対してネガティブなイメージを持つ人が多いことがわかりました。「仏教」への否定的意見は少ないものの、日頃のお寺との関係性や必要性をたずねると、接点の減少や、仏教・お寺の必要性を感じない人が多く、仏教寺院にとっては厳しい結果となりました。
ただ、「次世代(子ども)のためには伝統文化や歴史的価値からお寺や仏教を残すべき」という結果も出ています。私たちは、伝統仏教教団として、どのような活動を通して仏教やお寺を未来へつないでいくかが問われています。
- 調査結果のポイント
①ここ最近で『宗教』への不信感が高まった人は全体の約4割。特に10~40代女性の5割が「宗教への不信感が高まった」と回答
➢【最近あなたの宗教観に変化はあったか】という設問に全体の39.7%が「不信感が高まった」と回答。10~40代女性が特にその傾向が高い。
➢【『宗教』からイメージすること】という設問では、「心の拠り所/信仰」関連が最も多いが、次いで「マインドコントロール」「胡散臭い」「怖い」「お金」など様々なネガティブな切り口での要素が挙げられている。
②宗教と仏教との印象を比べると、仏教への「抵抗感」のほうが低い。しかし、「魅力」を感じている人も少ない。
➢【宗教/仏教についてのそれぞれの印象】を聞いたところ、宗教よりも仏教のほうが「身近」には感じている。
➢ しかし、仏教については、全体の半数近くが「あてはまるものはない」と回答。ネガティブでもポジティブでもなく、仏教と関りが浅く、印象が薄いことが伺われる。
③お寺は「行く目的がない」「何をするところかわからない」と答える人が多い。 特に10~30代男女ではその傾向が高い。
➢ 【お寺に関する意識】を聞くと、50代以下の男女の過半数が「目的がない」と回答。10~20代女性では73%に及ぶ。
④次世代を担う子どもにとって、仏教/お寺は「歴史・伝統を感じる・学ぶ」「先祖を大切にする」「日本文化を感じる・学ぶ」という面で良い影響があると考える人が多い。
➢ 【仏教・お寺があることで、どのような良い影響があると思うか】を「自分/次世代(子ども)/社会」に分けて聞いたところ、「次世代」のためには、仏教やお寺の歴史的・文化的価値を伝えるべきと思っている。
⑤価値観、悩み意識を聞くと、男性30~50代は幸福実感が低い傾向があり、「心の拠り所がない」と答える。
➢ 日常の悩みや孤独感についての意識を聞いたところ、働き盛りの30-50代男性の「孤独」が浮き彫りに。築地本願寺や仏教が積極的に手を差し伸べるべき人たちの存在が調査からも透けて見えてきている。
- 調査結果詳細
①ここ最近で『宗教』への不信感が高まった人は全体の約4割。特に10~40代女性の5割が「宗教への不信感が高まった」と回答
➢【最近あなたの宗教観に変化はあったか】という設問に全体の39.7%が「不信感が高まった」と回答。10~40代女性が特にその傾向が高い。(表1)
➢『宗教』からイメージすること】という設問では、「心の拠り所/信仰」関連が最も多いが、次いで「マインドコントロール」「胡散臭い」「怖い」「お金」など様々なネガティブな切り口での要素が挙げられている。(表2)
②宗教と仏教との印象を比べると、仏教への「抵抗感」のほうが低い。しかし、「魅力」を感じている人も少ない。
➢【宗教/仏教についてのそれぞれの印象】を聞いたところ、宗教よりも仏教のほうが「身近」には感じている。
➢ しかし、仏教については、全体の半数近くが「あてはまるものはない」と回答。ネガティブでもポジティブでもなく、仏教と関りが浅く、印象が薄いことが伺われる。
③お寺は「行く目的がない」「何をするところかわからない」と答える人が多い。 特に10~30代男女ではその傾向が高い。
➢ 【お寺に関する意識】を聞くと、50代以下の男女の過半数が「目的がない」と回答。10~20代女性では73%に及ぶ。
④次世代を担う子どもにとって、仏教/お寺は「歴史・伝統を感じる・学ぶ」「先祖を大切にする」「日本文化を感じる・学ぶ」という面で良い影響があると考える人が多い。
➢ 日常の悩みや孤独感についての意識を聞いたところ、働き盛りの30-50代男性の「孤独」が浮き彫りに。築地本願寺や仏教が積極的に手を差し伸べるべき人たちの存在が調査からも透けて見えてきている。
⑤価値観、悩み意識を聞くと、男性30~50代は幸福実感が低い傾向があり、「心の拠り所がない」と答える。
➢ 日常の悩みや孤独感についての意識を聞いたところ、働き盛りの30-50代男性の「孤独」が浮き彫りに。築地本願寺や仏教が積極的に手を差し伸べるべき人たちの存在が調査からも透けて見えてきている。
- 調査結果を受けて
築地本願寺 宗務長(しゅうむちょう) 中尾 史峰(なかお しほう)
現在、一部新興宗教の問題が社会で顕在化し話題になる中、私たちは仏教に携わる立場として「いま、社会の中で仏教やお寺はどう捉えられているのか」を確認する調査を行いました。
その結果、「宗教」という言葉やイメージに対して不信感が高まった方が増えていましたが、仏教やお寺にそれは見られませんでした。しかし、だからといって安心できるわけではなく、そもそも仏教やお寺に対して「何の印象も持たない人が多い」ことが明確になりました。
さらに、お寺への訪問は半年から1年に1回以下の人が約8割もいて、「お寺が何をする所かわからない人」が10-30代では約4割にのぼるという残念な結果もでています。若い世代のお寺離れは、私たちの努力不足でしかありません。言葉では「ご縁のない方へのアプローチをしよう」と言っていますが、まだまだ具体策が足りていないと反省しています。
また、中年世代を中心とした男性の孤独感についても、現代社会での問題が浮き彫りになっていると思います。
新型コロナ感染症が少しずつ収束し、リアルでの触れ合いが再開し始めています。今こそ私たち僧侶は、お寺にお越しになった皆様を「ようこそ!」と和やかな笑顔でお迎えし、直接お話しさせていただく中でお互いの温かさを感じる時期がきたのではないでしょうか