広井良典(2023)『科学と資本主義の未来〈せめぎ合いの時代〉を超えて』東洋経済新報社

書評:広井良典(2023)『科学と資本主義の未来〈せめぎ合いの時代〉を超えて』東洋経済新報社

第9章 科学予算と世代間配分

・55兆(年金給付額)、5兆(文科省予算)、1兆(国立大学の年間予算)
年金給付のうち、高所得層に給付される部分の一定額(数千億円ないし1~2兆円程度)を、何らかの形で科学研究ないし大学教育ひいては若い世代の教育・雇用支援に再分配するという改革の方向を検討し、実現していくべき。
(日本の年金は本当に必要な層に十分な年金給付がなされない一方で、高所得高齢層には現役世代からの過剰な移転を伴う給付がされている)

・教育や社会保障を含めて、日本においては若い世代への公的支援が国際的にみても非常に小さい→高齢世代に著しく偏っている日本の社会保障・教育予算の全体構造に目を向け、その再分配を行う必要があり、そうした発想のもとで科学研究・教育予算の拡充を行うべき。

・「世代間の公平性」と「将来世代への責任」の観点 Our Common Future
(ブルントラント委員会、1987)では、将来世代に負担を回さないことが持続可能性というコンセプトの中心。
「もっと将来世代のことを考えよう」ということを論じる政党(未来世代党)が必要

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